[NO.767] 書物の旅

syomotunotabi.jpg

書物の旅
逢坂剛
講談社
1994年11月30日 第1刷発行

 あとがきによると、2冊目のエッセイ集だとのこと。大半が書評関連で、身辺雑記もいくつか。

 特に記憶に残ったのは後者。
p212「父子で歩く江戸東京」
 逢坂剛氏の父君は時代物の挿絵画家中一弥氏。とくに池波正太郎氏の作品の挿絵が多かったのだそうです。かくして、その父と歩いたときのエッセイ。もちろん挿絵を描いたという『剣客商売』秋山小兵衛の隠宅の場所を推定し、浅草で食事。当時の神社仏閣は川から船で上がるので、表門が川を向いていたという父の指摘。いいですねえ。

 スペインものばかりかと思っていました。