順列都市(下)/早川文庫SF1290 グレッグ・イーガン 山岸真訳 1999年10月20日 印刷 1999年10月31日 発行 |
この物語は2部構成になっています。第2部が始まるのが本書の111ページから。この下巻は全部で276ページからなっていますので、ほとんど真ん中近く。つまり上下2巻のうち、全体の4分の3が終わったところで、やっと第2部ということになります。
この第2部は、急に動きが活発になるので、テンポの速さに最後まで引っ張れれました。
ありゃ、と思ったのは、速度の話。電脳世界は、生身の世界よりも十七分の一という遅い世界。しかも、それはお金持ちたちの恵まれた世界であって、もっとずっと遅い世界に生きているコピーたちもたくさんいる、というのは、なんともはや。去年読んだ NO.503『ディアスポラ』では逆に、電脳世界の方が速すぎて、現実世界の遅さと合わせてあげないと生身の人間とは会話ができなかったはず。
ありゃりゃ、と思ったのは、下巻の最後の方(p248)で、ピーとケイトは現実世界よりも一兆分の一に減速してしまうところ。こうなると最早タイムマシンはいらない。
【関連書リンク】
・ [NO.503] ディアスポラ/ハヤカワ文庫/SF1531
・ [NO.690] 順列都市(上)/早川文庫SF1289
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