蒐集/日本の名随筆別巻34 奥本大三郎編 作品社 1993年12月25日 第1刷発行 1998年5月30日 第2刷発行 |
「人はなぜ集めたがるのだろうか」というテーマを考える上で、参考になるかもしれないと思い手にしました。しかし、編者の嗜好が入っているのでしょう、 ちょっと違うんだよなあ、という内容も。自分自身、どうやら虫や植物などの自然物には関心がないためでしょう。その手の話が詰まらないのです。(化石につ いても同じでした。)骨董についても興味がわかないのは、定番過ぎるからなのかもしれません。
それから、なにもこの本でまで古書収集について扱うのは、どうも今さらといった感があります。この分野だけで、これまでに充分読んでいますので。
その点、柳田國男「マッチ商標の採集」や斉藤昌三「燐寸広告装飾紙蒐集 福山碧翠氏」なんぞは興味をそそられました。この分野は歴史があったのですねえ。当たり前といえば、それまでですが。
赤瀬川原平氏の文章に、美学校時代の教え子にマッチラベル蒐集にのめり込み、日本有数の収集家のもとへ訪ねていくというものがありました。恐ろしい出来事です。
いっそのこと、オーソドックスの極みであろう「千社札」あたりについても載せてほしかったところです。
出版社サイトに目次あり。
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