続・漱石先生ぞな、もし 半藤一利 文藝春秋 1993年6月25日 第1刷 1994年1月20日 第6刷 |
前作の面白さに惹かれ、手を出しました。続、とはいえどもレベルは落ちていません。
『漱石先生ぞな、もし』のあとがきに、
『吾輩は猫である』も『坊ちゃん』も、なぜかキリのいい十章ではなく、十一章という半端で終わっている。そこで本書も十一話にまとめてみたが、その縁起のよさにあやかろうというわけである。
とあるように、本書も十一章で終わっています。
一番面白かったのは、p316「後口上」にある
「ほとんど先行文献を読まず漱石を書くとは傲岸不遜、無礼千万」と国文学者の友に叱られたことをいま想いだしている。
というところです。
なぜなら、前著も本書も、巻末には主な参考文献が明記してあるのです。書名を追っているだけで楽しくなります。
■主な参考文献 (本文中に明記した一部は除いた)
秋田忠俊『伊予のことば』 (伊予民俗の会)
荒正人『漱石研究年表』 (集英社)
青柳淳郎編『明治九十九年』 (オリオン杜)
伊ヶ崎暁生『文学でつづる教育史』 (民衆社)
内田保広篇『文学史こぼれ話』 (大和書房)
小野秀雄篇『明治話題辞典』 (東京堂出版)
古財運平『漱石あれこれ』 (天水町)
紅野謙介『書物の近代』 (筑摩書房)
小林孚俊『坊っちゃん談義』 (私家版)
坂本育雄『鑑賞漱石語録』 (桜楓社)
司馬遼太郎『本郷界隈』街道をゆく37 (朝日新聞社)
柴田宵曲『柴田宵曲文集』第五巻 (小澤書店)
鈴木修次『漢語と日本人』 (みすず書房)
惣郷正明・飛田良文編『明治のことば辞典』 (東京堂出版)
立川昭二 『明治医事往来』 (新潮社)
平川祐弘『夏目漱石・非西洋の苦闘』 (新潮社)
平野活介『新聞集成夏目漱石俊』 (明治大正昭和新聞研究会)
〃 『雑誌集成夏目漱石像』 (同右)
福地重孝『軍国日本の形成』 (春秋社)
古川久『夏目漱石辞典』 (東京堂出版)
松岡華子『猫の娘』 (非売品)
松岡譲『漱石先生』 (岩波書店)
〃 『漱石の印税帖』 (朝日新聞社)
〃 『漱石・人と文学』 (潮文閣)
〃 『漱石の漢詩』 (朝日新聞社)
矢本貞幹『夏目漱石』 (研究社)
山本笑月『明治世相百詰』 (有峰書店)
山本信良・今野俊彦『近代教育の天皇制イデオロギー』 (新泉社)
柳田聖山『禅語の四季』 (淡交社)
吉田金彦『ことばのカルテ』 (創拓社)
和田利夫『明治文芸院始末記』 (筑摩書房)
和田利男『漱石の詩と俳句』 (めるくまーる)
上村希美雄「『草枕』の歴史的背景」(『草枕の里を彩った人々』天水町)
熊坂敦子「漱石と蕪村一茶」(『芭蕉・蕪村一茶の旅』文藝春秋)
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