タイムスリップ・コンビナート 笙野頼子 文藝春秋 1994年9月20日 第1刷 |
未読でした。久々の文芸書。1994年前期芥川賞受賞作。今、読んでみてとりたてて前衛的云々とも思えず。(当時であっても、そうだったのではないで しょうか)。この手の小説は、いつの時代でもありそうです。ただし、初出誌『文學界』に出たときには、どうだったのかと想像すると面白そう。
冒頭を引用します。
去年の夏頃の話である。マグロと恋愛する夢を見て悩んでいたある日、当のマグロともスーパージェッターとも判らんやつからいきなり電話がかかって来て、ともかくどこかへ出掛けろとしつこく言い、結局、海芝浦という駅に行かされる羽目になった。
些末的なところで、「スーパージェッター」にはビックリ。「ブレードランナー」「レプリカント」を出しても、サブカルとして認知されていますから受け入 れられやすいでしょう。しかし、「スーパージェッター」ではねえ。西武新宿線「都立家政」駅を出すことよりも、もっと違和感がありました。
もっとも、「海芝浦」の方が有名になってしまいましたが。
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