[NO.550] 立花隆秘書日記

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立花隆秘書日記
佐々木千賀子
ポプラ社
2003年3月 第1刷発行
2003年4月 第2刷発行

 なかなか興味深く読めました。ミーハーとしての興味もあったし。
 『立花隆のすべて』(文藝春秋、1998年刊行)を読んでいたので佐々木千賀子氏が秘書として選ばれたときの概略は知っていましたが、本書ではより詳しく紹介されています。佐々木氏が秘書をなさっていた期間(1993年~1998年)は、上記『立花隆のすべて』と重なりますので、その裏側から見た内容ともいえます。フランスはブルゴーニュにワイン醸造所つきの古城を購入し、猫ビルも建てて、なんという経済力だろうかと思っていたところ、それらは立花氏にとってのバブル期だったという指摘に納得。その後、秘書を解雇された理由が経済的なものだったそうです。
 何よりも、立花隆氏の身近な様子が描写されているのが特徴でしょう。

目次
はじめに
第1章
1 冬の海辺で
2 年齢不問・主婦可――立花隆秘書募集
3 書類審査突破の二十名から選ばれるのは?
4 歴代大蔵大臣の名前を述べよ
5 試験二日目は面接、そしてスリリングな実技
6 試験応募者は五百人だった!?
7 はじめてのおつかい
8 自分の空を飛ぼうとする、健気な女たち
9 仕事場はネコビル
10 猛烈に増え続ける本と格闘するネコビル
11 ボートーチンジュツを持って来てください
12 「何が新生だ。ちゃんちゃらおかしい」
13 言論活動二十五周年を記念する大パーティ
14 田中角栄死去
15 幻の「田中角栄追悼文」

第2章
1 ネコビルにはいろいろな人がやって来る
2 『宇宙からの帰還』と「アポロ13号 奇跡の生還」
3 締め切り前夜、ネコビルで何が起こっているか!?
4 ボスの海外旅行-立花さんはこんなものを持って行く
5 立花さん直伝のスクラップ術
6 立花さんと本と読書
7 ベテラン編集者による「立花隆とつきあう五箇条」
8 編集者よ、大志を抱け
9 立花さんはなぜ武満徹氏に心惹かれるのだろうか
10 立花さんと大江健三郎父子
11 クライバー様の『ばらの騎士』
12 「臨死体験」の結末に思ったこと
13 阪神大震災が起こる
14 被災地へ
15 ロッキード裁判・最後の判決
16 地下鉄サリン事件
17 オウム真理教本部からの電話
18 サリンとオウムの暗い《闇》
19 宮崎アニメ『耳をすませば』の声優に挑戦
20 オウムを脱退した青年との対話

第3章
1 立花教授、東大の研究所へ行く
2 アニメ録音の舞台裏。眼鏡忘れて......
3 ネコビルと東大先端研を行ったり来たりしながら
4 立花教授、先端研探検団を結成する
5 謎のフィルムをめぐる探検
6 インターネットで立花さんが熱中したサイト
7 「オウムを考える」という講演会
8 宗教に騙されるな!-インチキ宗教を見分ける五つのポイント
9 突然の入院
10 入院で知ったたくさんの大事なこと

第4章
1 メリー・ウィドー、河童、秘書日記
2 武満徹氏、死去
3 東大講義「人間の現在」
4 初授業に六千人の受講希望者
5 知的刺激いっぱいの授業
6 痛風事件
7 挨っぽい子どもたちとの日々
8 大人ってつまらない
9 「知の巨人」と物忘れ
10 ロボットとともに住む社会は?
11 立花さんの入院
12 立花さんをめぐる女性たち
13 「特別講義のようなもの」
さいごに
あとがき

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