新版 ロシア文学案内/岩波文庫別冊2 著者 藤沼貴 小野理子 安岡治子 岩波書店 2000年4月14日 第1刷発行 |
ソ連崩壊から、大分経ってしまったのですね。岩波文庫のロシア文学案内が、「その後」について掲載していたので、手にしてみました。
目次
はじめに
第一章 ロシア文学のはじまり
一 文字文学以前
キリスト教とロシアの言葉
ロシアの神話
ロシアのフォークロア
二 キエフ・ロシアの文学(十~十二世紀)
外来文学
ロシア固有の文学
第二章 ロシア文学の中心の拡散と移動
一 キエフ文学の継承と断絶(十三~十四世紀)
統一国家の崩壊
諸公国分立期の文学
二 新しいロシアの形成と文学
十六世紀
十七世紀
第三章 十八世紀
一 新旧要素の組み替え。ロシア文学の分水嶺(一七〇一~三〇)
ピョートルの改革
文学面での組み替え
二 一つの文学大系の成立。個人の出現(一七三一~六〇)
ロシア詩法の確立
新しいロシア語の形成
一つの文学大家の形成
この時期の作家たち(カンテミール/トレジアコフスキイ/ロモノーソフ/スマローコフ)
三 個人の確立(一七六一~八五)
女帝のロシア
庶民と女帝の論争
この時期の作家たち(デルジャーヴィン/フォンヴィージン/ヘラースコフ)
この時期の文学的様式
四 私の言葉を語る文学(一七八六~一八〇〇)
プライヴァシーと私語
新しい言葉――三文体とジャンルの解消
ロシアのハートと私
私・自然・民族
この時期の作家たち(ラジーシチェフ/カラムジン)
第四章 十九世紀
一 プーシキンの時代
『エヴゲーニイ・オネーギン』
プーシキンの散文
『大尉の娘』
二 ゴーゴリ
『ディカーニカ近郊夜話』
『アラベスキ』と『ミルゴロド』
『検察官』
『死せる魂』
ペテルブルグの八・九等官、『鼻』と『外套』
三 レールモントフ
『悪魔』
『現代の英雄』
四 一八四〇年代の文学
ベリンスキイの芸術論
ゲルツェンとその友人たち
五 ツルゲーネフ
『猟人日記』
『父と子』
六 チェルヌィシェフスキイ
『芸術と現実の美学的関係』
『何をなすべきか』
七 女性と文学
一八世紀の十九世紀の境目
『不慣れなミューズ』
性を否定する者、性に生きる者
頭のコルセット
世紀半ばの女性文学
七〇年代から世紀末へ
八 ドストエフスキイ
『貧しき人々』
『罪と罰』
後半生
九 トルストイ
青春の彷徨
新進作家
『戦争と平和』
『アンナ・カレーニナ』
晩年
十 一八六〇~九〇年代の文学
年長世代のリアリズム作家・詩人
チュッチェフと「純粋芸術派」の詩人たち
ロシア国民演劇の確立、オストロフスキイ
反動の八〇年代の中で
十一 チェーホフ
医学生のアルバイト
新進作家、そしてサハリン
村医者の活動、小説の円熟
芸術座との出会い、戯曲『桜の園』
第五章 二十世紀
一 世紀末から十月革命まで
ズナーニエ派
モダニズム
二 革命からネップ時代
革命
「ネップ」時代
アヴァンギャルド派
プロレタリア派
同伴者作家
亡命文学
三 スターリン時代
ラップの独裁から作家同盟設立へ
「社会主義のリアリズム」
独自の作風を守った作家たち
粛清から戦争へ
ジダーノフ演説
四 雪解け時代(一九五三~六四)
雪解けとスターリン批判
抒情的散文と「六〇年代人」
『イワン・デニーソヴィチの一日』
華やかな詩人の時代
SF小説
自由化の限界
五 「停滞」の時代(一九六五~八五)
革命後の歴史の見直し――大テロルと戦争
伝統、過去、自然への回帰と農村派
非ロシア人作家
個性豊かな詩人たち
非公認文学
亡命文学「第三の波」
六 ペレストロイカ以後
グラスノスチ
社会的、倫理的問題を扱う文学
「もう一つの文学」
ソ連崩壊後
年表
索引
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