お父さんのバックドロップ/集英社文庫 中島らも 集英社 1993年6月25日 第1刷 |
p191
(この作品は一九八九年十二月、学習研究社より刊行されました。)
目次
お父さんのバックドロップ
お父さんのカッパ落語
お父さんのペット戦争
お父さんのロックンロール
解説・夢枕獏
予想以上に面白く楽しみました。おそらく学研の子ども向け雑誌連載小説なんだろうな、と高をくくっていましたから。たとえ、そういった雑誌向けであったとしても、こうしてレベルを落とさずに書いていたのが、中島らも氏らしいところ。
表題作、お父さんのバックドロップは映画化されており、レンタルDVDで見た記憶があります。無難なところ。お父さんのカッパ落語は、いかにも日本映画あたりでありそうな話。らも氏と落語とのつきあい、というのは面白い関係です。その昔、自作落語と称した文章もありました。落語の馬鹿馬鹿しさ、が面白い。ペット戦争はややトーンダウン。ラストのお父さんのロックンロールは、らも氏らしいくだらなさで、好きです。
解説について。格闘技好きの夢枕獏氏が書いているので、そのとおりの内容。サブタイトルが、愛と屈折のサブミッション、だそうです。
イラストは、ひさうちみちお氏。これが、いかにも'80年代風。(左)「小筆ちゃんとそのママ」。終わりの方に出てきた(右)「モヒカン刈りのロッカー ともんじゃ屋のおばあちゃん」になると、著者中島らも氏自身のイラストか? と思いました。まるでそっくり。『中島らものたまらん人々/徳間文庫』に、たっぷり こんなイラストが載ってます。これには、わらっちゃいました。
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