[NO.469] 図説 占領下の東京/ふくろうの本

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図説 占領下の東京/ふくろうの本
著者 佐藤洋一
河出書房新社
2006年7月20日 初版印刷
2006年7月30日 初版発行

 本書には白黒の写真が、いったい全部で何枚掲載されているのか。占領期の東京について、実にいろいろが写真が見られます。街角のスナップだけではありま せん。住宅地や施設等、あるいは接収関連の地図の写真まで。膨大な量です。編集がしっかりしています。もともと学術論文だったものに手を加えてあるのだそ うです。

あとがきから
 米国メリーランド州国立公文書館の分館(National Archives Ⅱ)には「シティ・マップ・セントラル・トウキョウ」のいくつかのバージョンや、三〇〇〇枚に及ぶ占領期の東京の写真、それに16ミリのムービー・フィル ムがあるのだそうです。そこで著者は調べたということです。
 興味深いのは、そこで隣り合わせの席になったのが、著者と同様、終戦後のベルリンを撮影した米軍の写真を調査に来ていたドイツの大学教授やローマの研究者。なんともはや。
 14年前に書いた修士論文を母体に、本書は成り立っているのだそうです。著者は早稲田大学出身で、現在は母校の先生。大学のサイトにコメントがありました。

目次
序章 占領期の東京へ
一枚の写真/歴史の中の基地/占領期をどうとらえるのか/特殊な都市空間、接収地
第1章 「帝都」の崩壊 空襲から接収へ
明治以降の〈帝都〉の変容/山の手と下町を中心にした〈帝都の地理〉/空襲から接収へ/接収物件の用途/接収地はどれくらいあったのか/column写真集『東京一九四五年・秋』を読む
第2章 軍事施設の解体と接収地
終戦直後の占領軍の動き/東京地区での調達要求/一九四五年九月/column日本軍の施設はすべて占領軍施設になったのか?
第3章 都心部の接収地をめぐる
施主うちのヴァリエーション/接収地の立地/ビジネス・ループに乗って/パーシング・ルートN/有楽町から新橋周辺/霞ヶ関から赤坂周辺/築地周辺/column占領期の東京地図を描く
第4章 ディペンデント・ハウジング・エリア 占領軍家族住宅地図
ランドリー、ベーカリー/占領軍の住まいの形態/DH建設の過程/『星条旗新聞』より/DHが建設された地区/都心部の主な住宅地/フェンスの内と外/column占領期の風景
第5章 USハウス 接収地
個人住宅の接収/接収の流れ/接収住宅の分布/接収住宅の規模・間取り・所有者/田園調布での接収の実情/接収住宅、その後/ある接収住宅の事例/column写真で見る接収住宅/column占領期・東京の映画を見る
第6章 もう一つの世界
接点としての皇居前広場・丸の内/外堀の内側/都心のコンパクト・ライフ/周辺への波及/道路名・道路標識/広い土地/接収地、その後

都区部の軍用地の変遷と接収地/東京都区部の占領軍接収地リスト/占領軍関連年表/あとがき/参考文献