汽車旅放浪記 関川夏央 新潮社 2006年6月25日 発行 |
鉄道ファンなんだそうです、著者。けれども、本書は鉄道に関連して綴られた文学ファンによるエッセイではないでしょうか。
なるほどとうなずきながら、一気に読了できてしまいました。あまり、引っかかるところが少なかったような。
高校1年生時、自転車で旅したときの回想を交えた「三十八年の一瞬/北陸本線」が、一番強く印象に残りました。宮沢賢治の樺太への旅は、賢治のファンなら既知の内容だし、ちょっと思わせぶり過ぎたかもしれません。
目次
楽しい汽車旅
トンネルを抜ければ「異界」/上越線
東京のとなりの「鄙」/久留里線、いすみ鉄道、小湊鉄道
三十八年の一瞬/北陸本線
成長の旅情、芙美子の駅/香椎線、鹿児島本線、筑豊本線
太宰治の帰郷/津軽海峡線、津軽線、津軽鉄道
オホーツク発、銀河行き/樺太東部本線終点栄浜(サハリン・スタロドゥプスコエ)
宮脇俊三の時間旅行
蝉しぐれの沈黙/左沢(あてらさわ)線、山形鉄道フラワー長井線、米坂線
時刻表を「読む」ということ/のと鉄道、氷見線
ローカル線車内風景/只見線、大井川鐵道井川線、わたらせ渓谷鐵道
汽車好きの原風景/宮脇俊三と昭和戦前
「坊ちゃん」たちが乗った汽車
漱石と汽車/九州鉄道、山陽本線、東海道線
二十世紀を代表するもの/満鉄本線、三江線、東京路面電車
時を駆ける鉄道/都電荒川線、甲武鉄道
汽車は永遠に岡山に着かない/東海道、山陽、鹿児島各本線、御殿場線
初老「鉄ちゃん」はかわいいか
「あとがき」にかえて/大糸線
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