[NO.446] コラムの冒険/エンタテインメント時評1992~95/新潮文庫

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コラムの冒険/エンタテインメント時評1992~95新潮文庫
小林信彦
新潮社
平成12年1月1日 発行

 再読。

 音楽では小林旭。大瀧詠一の話。この二人の付き合いも面白そうです。洋画ではクリント・イーストウッド。批評家から阻害されている話。そうして国内の話題では、伊東四朗氏。NO.426『元祖テレビ屋大奮戦!』(井原高忠著、文藝春秋)を読んで、いっそう伊東四朗氏と小林信彦氏の関係が深く理解できました。CMで白子海苔に伊東氏が出ている作品を今朝見ました。ヤクルト・タフマンはどうでしょう?

p162
石橋貴明in「メジャーリーグ2」
 しかし、日本人じゃなくても、この映画、石橋のハイテンション演技が一番受けるのじゃないかな。たいいち、日本のコメディアンで、おなじみのキャラクターのまま、ハリウッド映画に出て成功したのは石橋が最初ではないか。とにかく、ぼくは大笑いしました。


 巻末、中条省平氏による解説に同感。おっしゃるとおり。小林氏による自伝『ある和菓子屋の息子』から引用している父親について(ぼくの父親を通して見た下町の人間の特徴)が、そっくり小林信彦氏にあてはまる、という意見。この本を読んだときに、まったく同じ感想をもちました。
1 謙虚さとその裏側にある自負。
2 言葉の面白さ。
3 シャイネス、消極的、または弱気。
4 痩(や)せ我慢。
5 美的生活者。
6 説明しない〈批評〉。
 特に、6番目の説明しない批評という項目については、小林氏の別の文章にも出てきました。歌舞伎役者についてなど、けっして多くは語らなかったとのこと。野暮にならない批評。

 巻末には索引付き。

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