奥の横道 赤瀬川原平 日本経済新聞社 1999年7月23日 1刷 |
連載・「日本経済新聞」1997年4月13日~1999年3月28日
著者撮影の白黒写真が毎回付いている短めのコラム集。「老人力」による流行語大賞受賞式についてや、「トマソン」「路上観察学会」「ライカ同盟」「日本美術応援団」による旅行記なども。基本的に、ふらふら出歩いている外出記録です。
それにしても、よく旅をしています。旅先で具合が悪くなることもあったようです。著者いわく、一人旅はけっしてしないのだとか。合流地点までの移動中などは、たまに一人ということがあってもだそうです。いかにも一人旅をしそうに思っていただけに、これは意外でした。
可笑しかったのは、一度訪れている場所を、すっかり忘れてしまっており、路地裏へと進むにしたがって、次第に思い出す場面でした。この脱力感、さすが老人力。
印象的だったのは、若いころの芸術グループ「ハイレッド・センター」の一員だった高松次郎氏の訃報を中西夏之氏から受け取ったという一文、「紐の先の冥福を祈る」のところでした。この集団名は3名の名前を一字ずつ取っていたのですね。
309ページを一気に読ませていただきました。
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