[NO.410] 星新一/一〇〇一話をつくった人

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星新一/一〇〇一話をつくった人
最相葉月 著
新潮社 刊
2007年3月30日 発行

 ページ数が多く、読み出がありました。最相葉月氏はノンフィクションライターなんだそうな。著者の本を読むのは、『絶対音感』『青いバラ』に続いて3冊 目。巻末には詳細な参考文献が付されています。書き下ろし。それにしてもなぜ、今、星新一なのかわかりません。しかし、それは留保しておいて。こうした本 がこういう形で、ノンフィクションとして出版されるということが現在の世相を映しているのでしょうか。
 星新一氏のショートショートが読書への入り口であったという人は、それこそ数え切れないほどいらっしゃることでしょう。逆にいえば、それだけ本書へ言及する人も多いと考えられます。賛否両論いろいろ出てくるでしょう。
 星新一氏ほど、今ここにいる自分は本当の自分ではない、という焦燥感を感じていた作家はいないのではないでしょうか。(星氏の紆余曲折の人生は、すでに有名です。)そういった意味で、現代への普遍性があるのかもしれません。
 本書はいったい評論なのでしょうか。一昔前なら、評伝というジャンルであったかもしれません。あるいはインタビュー集? これがノンフィクションと呼ばれるものなのでしょうか。