[NO.388] ウラ読みドストエフスキー

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ウラ読みドストエフスキー
清水正
清流出版
2006年6月8日 初版第1刷発行

 著者は日本大学藝術学部文芸学科教授。解釈を巡って、なるほどと思うところがいくつかありました。けれども、どうもなあ、と思う箇所も。

 例えば第1章〈数字に隠された秘密〉などは、いくら本書のタイトルが「ウラ読み」と冠してあるとはいえ、引いてしまう内容です。まるで暗号解読のよう。 例えは良くないですが藤村由加氏の暗号シリーズを思い浮かべてしまいました。日付に関して、ドストエフスキーが特に綿密に考慮して執筆したという指摘には 納得させられます。著者のように、今度はノート(あるいはカード)をとりながら読み返してみたくなりました。

 大学での著者による今時風の講義が想像される文体でした。