万年筆ミュージアム/歴史と文化に触れるモノ造り 渡辺順司 丸善 2006年12月28日 初版発行 |
期待して読み出したのですが、こちらの予期した内容とは違いがありました。(良い悪いではなく)。マーケティング会社を経営するという著者が万年筆(と出版)という分野に対して、あらたな視点からアプローチした結果をまとめたのだとか。
前書きから引用 本書は、この万年筆という商品をマーケティング的視点から捉え、商品開発というものに言及しようと試みたものである。
驚いたのは、筆者が万年筆の最初の1本を買ってから、きわめて短期間(365日間)で本書を出版したのだということです。限定品ばかりという本書に収め られている貴重な品々を見るにつけ、いったいどれくらいの金額がかかったのかを想像し、途中で諦めました。見当もつきません。
とても美しい写真がふんだんに用いられ、造本もしっかりしています。あとがきによれば、本書の特徴の一つが「検印」の復活なのだそうです。しかも、限定 3650冊で通しナンバーが振られています。けれども、その「検印」が、どう見ても印刷にしか見えません。あれま、です。
古書好きは、わざわざ「検印」が欲しくて購入してしまうこともあります。最近も、内田百間【門+月】や谷崎潤一郎、永井荷風の古書をそうした理由から買いました。
また、せめて通しナンバーが、ナンバーリングでもかまいませんから、プリントされた数字ではなくしていただけた方がよかったです。
古書に比べ万年筆に関しては知識もありませんので想像ですが、万年筆ファンにとっては違和感をもたれたのではないでしょうか。
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