東京バスの旅/文春新書193 中島るみ子・畑中三応子 文藝春秋社 平成13年9月20日 第1刷発行 |
東京の休日散歩にふさわしい、路線バスを使った40コースを紹介しています。どのコースもちょっとしたミニ観光に出かけたくなるものばかりでした。そんじょそこいらのお手軽な雑誌記事などとはくらべものにならない、ずっとしっかりした内容です
どの路線でも、必ず途中下車をしてそこでの見所を挙げています。自分で出かけたとして、とてもこんなにまめには歩けそうもないな、と感じてしまったほどでした。もっとも、一番気になったのは別のことでした。それは、本書に掲載されているコースの中で、いったいいくつの路線が廃止されてしまっただろうか、ということです。
「本書を読む前に」として 書かれている中にも、◆ 地下鉄都営大江戸線の開通にともない、いくつかの都バス路線が廃止・短縮され、その中には新宿~田町、渋谷~東京タワーなど、取材を予定していた魅力的な 路線も含まれていました。一本の路線で結ばれた意外な縁で、思いがけないひとつの旅路が生まれるのがバス旅の醍醐味ですから、廃止とともにいくつかの旅が 消滅したのは残念なかぎりです。とあります。
この際、バス路線図を入手しないと、やはりだめでしょうか。
コミさんこと田中小実昌氏が、生前にお弁当を持参で都内のバスに乗ってはフラフラしていたことを思い出しました。(自転車に乗って出かけた様子もそれはそれで面白かったのですが。)
目次
第1部 都心南部(大都会を貫く渋谷川・古川の橋めぐり 神宮から御苑へ、三大オアシスを結ぶ ほか)
第2部 都心北部(市谷の文豪旧宅と目白の"ハイソ"探索 熟年パワーだ、巣鴨とげぬき地蔵界隈 ほか)
第3部 城東・城北(向島七福神で幸せ祈願;相撲と回向院の両国しらみつぶし ほか)
第4部 城南・城西(東海道品川宿の今と昔 目黒で虫、世田谷でイヌ・ネコと仲良くなる ほか)
関連書 [NO.500] 大東京バス案内
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