東京落語散歩 吉田章一 青蛙房 平成9年9月20日 初版 |
目次
まえがき
春
湯島・本郷 片足ァ本郷へ行くわいな
千住・王子 人間には気をおつけ、馬の糞かもしれない
麹町 麹町にね、サルのお邸の旦那さまがあったんだよ
上野 清水の観音さまィ一生懸命信心してごらん
向島 お花見で女の子が騒いでいるのはまことに風情のあるもので
夏
亀戸 祈る神さま仏さま、妙見さまに願かけて
両国 通りかかったたがやさん
浜町 長谷川町の三光新道に常磐津歌女文字という
深川 深川八幡の祭りがたいそうよくできたという評判で
四谷・新宿 はて恐ろしい、執念じゃなァ
秋
蔵前・神田 もうすんだか
目黒 さんまは目黒にかぎる
京橋・銀座 尾奉行さまという強い味方が付いていらァ
日暮里・根津 ざっと拝んでおせんの茶屋へ
谷中・根岸 また茶の湯か
冬
牛込・鈴ヶ森 心中の相手は金ちゃんに決めよう
芝・高輪 酒はよそう、また夢になるといけねえ
浅草・吉原 十八間四方のお堂に安置したてまつる聖くわんぜおん菩薩
麻布 麻布絶江釜無村の木蓮寺に付いたときにはくたびれた
あとがき
主な落語の舞台や寄席の場所を結んで、半日ぐらいのコースを設定したという散歩案内。特徴は四季に分けてあることでしょう。落語に登場したころとは町名 が変わっているので、「江戸切絵図」や明治時代の番地入り地図と今の地図とを照合して、今はなくなった寄席などの位置を特定してあるのだそうです。それで 気づいたことに、市区改正、関東大震災、戦災などによる区画整理を経ていながら、東京にはまだ江戸時代の町割りの骨格がかなり残っていることがあるのだそ うです。
古地図が欲しくなります。
青蛙房の本にしては造本が安易な気がしました。
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