[NO.314] 路上派遊書日記

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路上派遊書日記
南陀楼綾繁
右文書院
2006年10月10日 印刷
2006年10月20日 発行

 ページ数435。しかも本文は2段組で、さらに詳細な脚注付き。いくらネット上で公開された内容であるとはいえ、とんでもない本です。前書きの次には「凡例」まであります。

まえがきから抜粋
 本書を手に取ったヒトにお断りしておく。
 世の中には、教養豊かな読書人が読んだ本について淡々と記した日記や、出版業界の内幕を赤裸々に暴露した日記、古本マニアの生々しい実態を綴った日記など、さまざまな日記本があるが、本書はそういう日記では、ない。
 ライターと編集者を兼業し、仕事と私事との間でうろうろしている三十八歳(当時)の男が、本を買い、本を読み、そして本と遊んでいる様子を描いたもの だ。この目記には、古本屋、ライブハウス、居酒屋、喫茶店、図書館、新刊書店、レコード屋、ラーメン屋、映画館などはよく出てくるが、ほかの場所はほとん ど登場しない。その意味では非常に偏った日記である。
 そんな内容の、二〇〇五年というたった一年間の日記である。しかも、一度ブログで発表したテキストをまとめたものなのだ。
 ......何人かが本を棚に戻す音が聞こえたが、気にせずに続けよう。


 「古本屋、ライブハウス、居酒屋、喫茶店、図書館、新刊書店、レコード屋、ラーメン屋、映画館」以外の場所はほとんど出てこないといいますが、そういう ところが大好きな人にとっては、たまらなく満足できる本でもあります。その昔、植草甚一氏のエッセイには、本屋(古本屋)と喫茶店(ジャズ喫茶)と雑貨 屋、映画館(試写室)、コンサート会場以外は出てこなかったのを思い出しました。