[NO.289] 文学全集を立ちあげる

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文学全集を立ちあげる
丸谷才一鹿島茂三浦雅士
文藝春秋
2006年9月30日 第一刷発行

 珍しく新刊。この3人の取り合わせが不思議でした。アンソロジーを編むという作業は楽しいでしょう。(この際、あえて困難さは除外するとして)。文学全集とは究極のアンソロジー集かもしれません。
 中学、高校時代に読みふけったものでした。どとらかと言えば、友人たちとの競争だった面もありましたが。現在の文学全集における価格暴落は目を覆うばかりです。全集の端本を集めた学生時代......。

 全体の約3分の1が世界文学全集、残りの3分の2が日本文学全集です。年長者である丸谷氏がとりまとめ役的で、鹿島氏と三浦氏が丁々発止。それでも結論 がでないケースが多数。結局、入れるのか外すのか分からないままで、どうなったのかと思っていたところ、それぞれの章末に架空の全集として中身を挙げてあ りました。

 毎年年末になると、ミステリーなどで今年の「ベスト○○」のような雑誌等が出版されますが、こちらの本はスケールが大きい。