架空の町 書物の王国① 著者 J・L・ボルヘスほか 株式会社国書刊行会 1997年10月11日 初版第一刷印刷 1997年10月15日 初版第一刷発行 |
武陵桃林(陶淵明)
青銅の町の綺談
眠れる都市(シュウォッブ)
眠い町(小川未明)
見知らぬ国(スティーヴンソン)
ドゥンデヤ諸島(マンデヴィル)
アク族の国にて(ミショー)
蟻走痒感(安西冬衛)
鐘楼の悪魔(ポオ)
倫敦の話(ダンセイニ)
薄い街(稲垣足穂)
サルナスをみまった災厄(ラヴクラフト)
トーレン、ウクバール、オルビス・テルティウス(ボルヘス)
遠近法(山尾悠子)
申陽洞記(瞿宗吉)
夢路の風車(井原西鶴)
ロンジュモーの囚人たち(レオン・ブロワ)
ママゴト(城昌幸)
街(チェスタトン)
猫町(萩原朔太郎)
猫町紀行(つげ義春)
街の中にタイムトンネルを見つけた(中井英夫)
N(マッケン)
高桟敷(泉鏡花)
闇の路地(ジャン・レイ)
幸福の島(ブリニウス)
p219『解題/この世の外ならどこへでも/東 雅夫』が秀逸でした。
朔太郎の「猫町」に続いて、つげ義春氏の「猫町紀行」、さらに中井英夫氏の「町の中にタイムトンネルを見つけた」とだめ押し。というのも、中井氏のこの作品は、冒頭に「猫町」について触れているのです。
以下引用
p142
この地上を歩いていて、ふいとどこか見知らぬ世界に出てしまう、その入り口。
たとえば萩原朔太郎の「猫町」のように、あるいはキャロルの「鏡の国のアリス」のように、見なれた何かがぜんぶ裏返しになり、異形の姿となって語りかける世界は、しかし物語の中にばかりあるわけではない。
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