[NO.283] はじめての和装本/身近な道具で作れます

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はじめての和装本/身近な道具で作れます
府川次男
文化出版局
2003年8月10日 第1刷発行
71頁
再読

あまりの美しさに見とれるばかりです。71ページ中49ページがカラー写真です。その内容はすべて手作りのかわいい本の数々。凝った難しそうなのは観賞用として見ていてもいいし、なかには自分でも手を出せそうなものもありそうな気がしてきました。年賀状をまとめたり、手持ちの絵葉書(があれば、)を利用したり。いっそのこと気に入った切り抜きを素材にしたっていいなと、(やりもしないくせに)思わず挑戦したくなります。

P49
和装本のこと

 和装本とは中国より伝わり、日本で古くから行われている装丁の本のことです。洋書、洋装本、洋本に対しての呼び方で、和本、和書ともいいます。日本生まれの最古の本は七世紀初め、聖徳太子による「法華経義疏」という「巻子本(かんすぼん 巻物のこと)」とされていますが、その後、日本風に工夫が重ねられ、手漉き紙の質の向上もあって、さまざまな和装本が生まれました。
 形も奈良時代には巻子本のみでしたが、平安時代に入り、巻物に折りを入れた「折り本」や、紙を一枚ずつ中央から縦に二つ折りにして貼り重ね、表紙をつけた「粘葉本(でっちょうぼん)」などの冊子が作られるようになります。やがて木版印刷の発明により版本が生まれ「綴じ本」として江戸時代には全盛を極めました。そのほか種類や形の異なる装丁の本にも工夫が加えられて、今日に至っています。いずれの和装本も、全く同じ品を大量に作り出すという方法はないため、時代後れと思われがちですが、コンピューター全盛、マスプロダクション時代の今だからこそ、世界に一冊しかない自分だけの本作りを楽しんではいかがでしょう。
 以下のページで、カラーページで説明した綴じ本以外の、この本で紹介した和装本の作り方を記していきます。

【目次】
白いノートブック   6
花のノートブック   8
表紙に添えた自然のいぶき   9
カラフルなページのノート   10
扇に半月、変り形のノート   11
シンプルな和綴じのノート   12
気に入りカードブック   22
スカーフをまとう本   24
年賀状傑作選   26
記念切手を一冊に   27
新聞の切抜きを本にまとめて   28
中澤さんの小さな本棚   30
小さな文箱に小さな経本   31
優雅でいとしい豆小紋帖   32
シックな折り本の縞帖   33
豆本「日本昔話切手集」   34
本井さんの手作り本   36
子供たちの笑顔が連なる   38
和綴じ上級編   40
江戸文字をしるした限定一冊ずつ   42
香り高くたおやかに   44
海田さんの茶会記   46
ちひさきものはみなうつくし   48
四つ目綴じ本を作りましょう   14
和装本のこと   49
作り方   50
(白いノートブック、折り本二通り、
カバー、紙や布の裏打ちのしかたなど)