素敵な活字中毒者/集英社文庫 編者 日本ペンクラブ 椎名誠・選 集英社 昭和58年9月25日 第1刷 |
アンソロジー集です。本の裏に鉛筆で1983.9.28と走り書きがありました。おそらく当時、新刊で買ったのでしょう。「本の雑誌」が売れ出し、椎名氏もこれから、というときだったかもしれません。みんながみんな元気だった時代。
どれもが選ばれただけあって、印象に残るものばかり。それだけに、それぞれの作品は、それぞれの作家の著書で読んだものも多くありました。懐かしき限り。当然のことながら、そうした本は整理ができていないため、散逸。こうしてまとめて読むことのできるアンソロジーって、これはこれでいいものです。
ですから、ときどきこの本で読み返しています。
《収録内容》
活字中毒者の一日=山口瞳
本を食べる=田辺聖子
愛書人行状記=武井武雄
何のために小説を読むか?=石川喬司
書盗=内田魯庵
J.J氏と神田神保町を歩く=植草甚一
冬眠日記=大岡昇平
一九七八年(一月~六月分)=殿山泰司
行きつけの=井上ひさし
大衆小説に関する思い出=鶴見俊輔
読書について(「読」は旧字)=小林秀雄
書痴論=紀田順一郎
本盗人=野呂邦暢
古書商・頑冥堂主人=開高健
活字と僕と――年少の読者に贈る――=江戸川乱歩
本の中へ本の外へ=高田宏
万引千摺り百十番=野坂昭如
悪魔祈祷所(「祷」は旧字)=夢野久作
文字食う虫について=澁澤龍彦(「彦」は旧字)
いちばん熱心に読んだ本=江國滋
もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵=椎名誠
鼎談解説=鏡明・目黒考二・椎名誠
コメント