[NO.179] ブックハンターの冒険

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ブックハンターの冒険 古本めぐり
牧眞司
学陽書房
2000年4月12日初版印刷
2000年4月17日初版発行

 読み通すのに時間がかかった(をかけた?)。幸せな読中感。古書店巡りの日々を綴った内容。経歴が東京理科大の工学部卒、というのが面白い。この方のことは存じませんでした。
 SFと海外文学がお好きとか。SFジャンルは、他にも書いている方がいらっしゃいますが、海外ものの内容が興味深く読みました。特におやっと思ったの が、「奇妙な味」と称する表現です。小林信彦氏が「パトリシア・ハイスミス」の小説を称して、同じ「奇妙な味」がすると形容しています。
 それにしても、フットワークの軽い足取りで都内を中心として古本屋を歩かれています。敬服するばかり。

p165
 ボクが大好きな小説のひとつの分野に「エンターテイメントとしての不条理小説」というのがある。もちろん一般に認められたカテゴリーではなく、勝手にそう名づけて喜んでいるだけなのだけれど。この分野で最高傑作は、カリンティ・フィレンツの『エペペ』(恒文社)だ。以下略

他、一緒に挙げているのが、デイヴィッド・イーリイ「観光旅行」(ハヤカワ・ノヴェルズ)。同「蒸発」(ポケミス)。