[NO.1611] 新参者/講談社文庫

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新参者/講談社文庫
東野圭吾
講談社
2013年09月09日 第1刷発行
400頁

巻末に

本書は二〇〇九年九月、小社より単行本として刊行されました。

とありました。講談社サイトには、本書についてほとんど記述が見られません。むしろウィキペディアに各章ごとの初出について記載されていました。なんともはや。リンク、こちら 

それによれば、すべて雑誌「小説現代」に掲載され、時期は第1章「煎餅屋の娘」が2004年1月号で最後の第9章「日本橋の刑事」が2009年7月号でした。そして9月に単行本化されました。

阿部寛主演で2010年にTVドラマ化されたので、そちらのほうが有名でしょう。その後長篇は映画化もされました。

 ◆  ◆

じつは東野圭吾さんの小説を読むのは何十年ぶりでした。「卒業」は出版と同時に読んだ記憶があります。それ以来。

どうしても映画やTVドラマの阿部寛さんの顔が思い浮かんでしまいました。もっともドラマ「新参者」はひとつも見ていません。ストーリーにはちょっと無理があっても、とりあえず読者をひっぱっていくだけの力業がありました。遠目から見ていて、かつての時代劇のようなイメージを抱いていましたが、こちらのほうが荒っぽいような気がします。どうしても量産せざるを得ない時代では、仕方がなかったのでしょうか。

つい、読者は欲張ってしまいますが、今現在の東野圭吾さんであれば、もう少し腰を据えた執筆ができるのかな。

約40年ぶりの加賀恭一郎のはなしは、読み物として十分面白くて、楽しい読書の時間をもてました。買ってから寝るまでに読了でしたから。ときどきクスッと笑えるところが予想外でした。

驚いたのが、文庫本なのに巻末に解説のなかったこと。まるでキオスクで昔売っていた出張サラリーマン向けの小説みたいです。

昨日、もらい物の古いドライブレコーダーを、お店で取り付けてもらいました。作業が終わるまでの待ち時間用として、途中立ち寄ったブックオフで手にしたのが本書でした。取り付けは予定より早く済んだので、半分ちょっと読み残し。就寝前の読書タイムで読了しました。結局のところ、最後にすべて謎が解決しないと寝られませんでした。短編小説集は、その点が便利です。