本の雑誌2023年8月 No.482 梅仕事待望号 特集:2023年度上半期ベスト1 |
P30
読者アンケート
私の上半期ベスト1!
『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』(済東鉄腸著、左右社刊)(大方直哉・只者社員57歳・仙台市)
こんな行動半径の小さい大冒険譚あるのか。(途中略)こんな勢いのある引きこもり、見たことない。
P40
大谷崎問題 北村薫
「おおたにざき」と読むのか「だいたにざき」と読むか。
というわけで、《大谷崎》は《おお谷崎》と読み、それが《偉大なる谷崎》の意であるというのは、水が水であるように当たり前のことと思ってきた。
ところが二〇〇六年に出た、小谷野敦の『谷崎潤一郎伝 堂々たる人生』(中央公論社)の、書き出しを読んで驚いた。
もともとそれは、弟の谷崎精二と区別するための《大小》という呼称だった――という。《どんなに偉大な作家でも、他と区別する必要がない場合は、一般に「大」をつけたりはしない。大芭蕉、大馬琴、大漱石、大鴎外などとは言わないのである》。なるほど。
ポオの黄金虫問題というのが、ありましたね。本の雑紙、何号だったでしょうか。
っと思ったら、大槻ケンヂさんが(今号で)触れていました。
P90
そして奇妙な読書だけが残った
獄門島(船)問題
=大槻ケンヂ
「黄金虫問題」が熱い。ポー「黄金虫」を『こがねむし』と読むか『おうごんちゅう』と読むべきか、他にも諸説あると6月号にある。発端は5月号の読者葉書からようだ。6月号北村薫さんによれば『おうごんちゅう』という読み方を定着させたのは講談社版の影響で、その訳者はかの江戸川乱歩であるとのこと。「大(おお)乱歩の登場に、思わず、《江戸川屋っ!》と、声をかけたくなります。」と北村さんは書いている。訳者としては乱歩は名前貸しだけだったようだが、チャックくらいはしたはず。その時に『こがねむし』でなく『おうごんちゅう』にOKを出すあたりさすが大乱歩らしいチョイスだなぁ、と感心した直後、僕は「ん?」と目を「本の雑紙」にグッと近づけた。「...『大(おお)乱歩』? 『大乱歩』って『大(ダイ)乱歩』って読むんじゃないんだ」同じ驚きを持った方は他にもいたようだ。7月号「三角窓口」に「わたしは長らく「大(ダイ)乱歩」と読んでいました」との投稿がある。これに▲さんも「そういえば、わたしも「ダイ」だと...」と返している。少なくとも僕を含め3人は大(ダイ)乱歩と読んでいたのだ! 風雲急を告げる「黄金虫」「大乱歩」の読み方である。でも、僕にはその二つもさることながら、他に一つ気になる読み方問題があったのだ。(以下略)
このやりとり、面白いなあ。
◆ ◆
P128
タイムトラベラーさんいらっしゃい
圧倒的な記憶の辞典
藤岡みなみ
『わたしは思い出す 11年間の育児日記を再読して』
取材、編集、執筆、構成・松本篤(AHA)
発行元・remo[ NPO法人記録と表現とメディアのための組織 ]
デザイン・尾中俊介(Calamari Inc)
◆ ◆
P122
三角窓口
読書のきっかけを作ろう!
自分の誕生日に贅沢な一冊を購入しよう!
△『装幀百花 菊地信義のデザイン』水戸部功 編/講談社文芸文庫
△こんにちは。何故か突然プラネタリウムを観に行きたくなり、何十年ぶりかに行ってきました。平日昼間だったせいか、私を含めて大人二名だけで殆ど貸し切り状態でした。(途中略)
久しぶりのプラネタリウムで何より驚いたのは、宇宙に関する資料展示コーナーで、『るるぶ宇宙』が置いてあったことです。えぇー!!! あまりにもびっくりして、帰ってから長男に言うと面白がって早速その日にネットで注文して買っていました。
→ 調べました。
『るるぶ宇宙』
(JTBのMOOK) ムック - 2021/3/30
96ページ
¥1,100 税込
コメント