ジョニ男のぶらぶら昭和。 #7(神田) 2022年11月17日(木)22:30~23:00 BS松竹東急 |
この番組を見るのは初めてでした。
テーマ「昭和を探す街歩き」の神田編。「岡昌裏地ボタン店」 を紹介していました。このお店の3代目ご店主の趣味が変わっています。テレビ番組の録画なんです。それも「見たい番組」ではなく、かたっぱしから複数のチャンネルを録画しまくっているというのです。
そのことを知ったきっかけは、テレビ東京「たけしのニッポンのミカタ!」2020年7月31日21:54~ でした。テレ東のHPから引用します。リンク、こちら。
その(取材の)合間に、店舗の3階にある自宅を拝見。テレビ好きの店主はさまざまな番組を録画するのが趣味だという。所狭しと撮り溜めたビデオテープは3000本! お宝の宝庫に、国分太一も思わず「観たい!」と興奮。
ところが残念ながら、このホームページには3000本のビデオテープも含めて、3階の画像は一枚も掲載されていませんでした。
このボタン店の建物は関東大震災の直後に建てられました。藤森照信さん命名の「看板建築」なので、TV局の取材も多いといいますが、自宅3階の紹介はどの局でもしませんでした。ましてや趣味の録画テープ3000本のことなど、まったく触れられてもいません。「アド街」や「じゅん散歩」でもお店について紹介されましたので、放送を見ましたが、もちろんそのことに触れませんでした。
残念なことに、この「たけしのニッポンのミカタ!」で紹介された番組の(自分の)録画ファイルが見当たらなくなってしまいました。もしかすると、こちらの記憶違いで、録画していなかったのか? たしか、店主さんの部屋にはブラウン管テレビと複数台のVHS録画器がずらっと並んでいたような。
それにしても、HDDじゃなくて、テープで録画というところがすごい。録画済みのVHSテープが所狭しと並んでいたような?
あまりの録画テープの多さに、スタッフが質問すると、いちいち見返したりはしない、録画することが趣味なんだという趣旨のことを話していました。記憶違いでなければ、全部の局を録画していたはずです。
そのことに、すごい違和感といいますか、不思議な感覚を覚えたのでした。とにかく強いインパクトがありましたから、忘れられません。
この「岡昌裏地ボタン店」って、柳森神社のはす向かいにあったのですね。勘違いしていました。
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五味康祐のオーディオの話(バイロイト音楽祭のFM放送をエアチェックするための機材を毎年どうするのか)
記憶にこびりついていることがネットで簡単に見つけられた。これなら、わざわざ自分で電子データをつくって、検索できるように保存する必要もないかもしれない。
「音による自画像」(その4) (audio identity (designing)宮﨑勝己) http://audiosharing.com/blog/?p=27079 |
「五味オーディオ教室」から(孫引き)
毎年、周知のようにバイロイト音楽祭の録音テープが年末にNHKからFMステレオで放送される。これをわが家で収録するのが年来の習慣になっている。毎年、チューナーかテープデッキかアンプが変わっているし、
私の場合、ユーザーが入手し得る最高のチューナーを使用し、七素子の特製のアンテナを、指向性をおもんぱかってモーター動力で回転させ、その感度のもっともいい位置を捉え、三十八センチ倍速の2トラックにプロ用テレコで収録する。
白状するが、私は毎年こうした喜悦に歳末のあわただしい数日をつぶしてきた。出費もかさんだ。家内は文句を言った。テープ代そのものより時間が惜しい、と言うのである。
歳末には新春用の原稿の約束を果たさねばならないのだが、何も手につかない。翌日は、正午頃には起きてその日放送される分のエア・チェックの準備にかからねばならず、結局、仕事に手のつかぬ歳暮を私は過ごすことになる。原稿を放ったらかすのが一番、妻の気がかりなのはわかっているだけに、時には自分でも一体なんのためにテープをこうして切ったり継いだりするのかと、省みることはある
途中でテープを交換しなければならない、交換すればその操作のあいだの音楽は抜けてしまうので、抜かさぬために二台のテレコが必要となり、従前の、ティアックのコンソール型R三一三にテレフンケンM28を加えた。さらには、ルボックスA七〇〇を加えた。
とにかくこうして、またまたその夜も深夜までこれにかかりきり、さてやり終えてふと気づいたことは、一体、このテープはなんだという疑問だった。
私が一本のテープに心をこめて録音したものは、バイロイト音楽祭の演奏だ。ワグナーの芸術だ。しかし同じ『ニーベルンゲンの指輪』を、逐年、録音していればもはや音楽とは言えない。単なる、年度別の《記録》にすぎない。私は記録マニアではないし、バイロイト音楽祭の年度別のライブラリイを作るつもりは毛頭ない。私のほしいのはただ一巻の、市販のレコードやテープでは入手の望めぬ音色と演奏による『指輪』なのである。元来それが目的で録音を思い立った。なら、気に食わぬマゼールを残しておく必要があるか、なぜ消さないのか、レコード音楽を鑑賞するにはいい演奏が一つあれば充分のはずで、残すのはお前の未練か? 私はそう自問した。
答はすぐ返ってきた。たいへん明確な返答だった。間違いなしに私はオーディオ・マニアだが、テープを残すのは、恐らく来年も同じ『指輪』を録音するのは、バイロイト音楽祭だからではない、音楽祭に託してじつは私自身を録音している、こう言っていいなら、オーディオ愛好家たる私の自画像がテープに記録されている、と。我ながら意外なほど、この答えは即座に胸内に興った。自画像、うまい言葉だが、音による自画像とは私のいったい何なのか。
「音による自画像」とは、うまいこと言ったものです。さすが作家です。五味康祐先生。
昔、カセットテープでエアチェックは、したことがありましたが、今やTV録画です。以前は録画したファイルをDVDに焼いて保存したこともありましたが、このところずっとHDDに保存しています。HDD クレードル を利用することで、簡単に外付けHDDをとっかえひっかえ使用できます。
すると、今度は裸のHDDが山のように蓄積してしまうのです。だいぶ処分はしているのですが。いったい、この先、どうしたらいいのでしょうか。
さて、どうしたものか。
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ささやななえの夫の話(佐川俊彦さん) 光文社文庫編 本とつきあう本 昭和61年11月20日初版1刷発行 p199 失敗する本の整理学 ささやななえ |
「獣道」と「スーパー・ジェッター」の話
『本の雑誌』に連載していた「断捨離血風録」の日下三蔵さん宅みたいな部屋をすでに1986年に成し遂げていたというのがすごい。
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