『本の雑誌』2019年1月号 から

『本の雑誌』2019年1月号 特集=本の雑誌が選ぶ2018年度ベスト10

p138 「三角窓口」

トップに掲載された、(松岡秀治・開業医62歳・香芝市)さんの投稿。

『われらはレギオン』(ハヤカワ文庫SF)を紹介する友人とのやり取りが秀逸。
「設定が凄いね。プログラマーでもある社長がSF大会で事故死して117年後に彼の生前の人格データを利用して恒星間探査用の人工知能が作られて、彼が宇宙で大冒険するというのは、まるで現代版のジェイムスン教授だね」と言うと「いや、設定はかなりハードだけれども、これはむしろ日本のラノベの転生モノに通じるところがあると思うよ。まあ君の好きな展開に根底で通じているところがあるからそれほど好きになれるんじゃないかな」と言われてしまった。
うん、たしかに壮大でハードな物語ではあるけれどもそれを言ったらラノベでも十分ハードで壮大な物語は多い。と、いうことで『われらはレギオン』を日本のラノベ風のタイトルにしたら「スター・トレックおたくのオレが転生したらチートな機械生命体になったのでちょっと宇宙を征服してみたくなった」となるな、という結論に達したのでした。いや、本当に面白いんだって!

p66 「ほろ酔いbar図書室」岡部愛

「共感性羞恥心」という言葉を知っているだろうか。自分のことではない失敗談や恥ずかしい思いを、まるで自分のことかのように感じてしまう現象のことをいう。私はこの現象からしばしばテレビのチャンネルを変えてしまうことがある。特に情けない男の姿が描かれると、"見ていられない"という気持ちから目を背けてしまう。

あるある。この岡部愛さんは女性なのでしょうか。