[NO.1452] 「あまちゃん」はなぜ面白かったか?/本音を申せば

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「あまちゃん」はなぜ面白かったか?/本音を申せば
小林信彦
文藝春秋
2014年05月25日 第1刷発行
255頁

小説家 小林信彦氏による「週刊文春」連載エッセイ、2013年1月17日号~2014年1月2日・9日号をまとめたもの(16冊目とのこと)。書評は少なくなり、映画関連が多し。

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現在進行中での書評として、小林信彦氏のものを楽しみにしていた時期があった。『地獄の読書録』などの過去版はおいておいて、とりあえず現在の信頼できる書評というのは、限られるのだ。

本書は6年も前のもの。それでもお年を召した感じがする。意図的に取り上げる内容を選んでいるような。もっとも、今時の「週刊文春」読者は、年齢層が高いし。政治がらみの時評が多い。

どうしても古い話が多くなると、繰り返しも増える。まるで、山本夏彦や高島俊男めいてきたかな。小林信彦氏に求めるものは、ポップなところ(by荒木経惟)だったのだけれどな。それでも、モームについてのことなど面白し。

「あとがき」いわく、連載していた年というのが、「大島渚さんの死で明け、大瀧詠一さんの死で終わりました。」とのこと。あ~、あれから6年ですか。

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本の紹介で、おやっと思ったのが次の1冊。

p97 『小林泰彦の謎と秘密の東京散歩』(JTBパブリッシング)

筆者の弟さんによる本。戦災で焼失した生家の中がはっきり書かれていて、しかも、兄のしらないことがあったとか。また、周囲について母と記憶で作図した町内が、とてもくわしいとも。具体的に一軒一軒書いてあるそうだ。またまた、あ~。あのあたりか。今でいうところの「両国橋西(両国橋側の方)」から、隅田川沿いを南(柳橋と反対方向)へ進み、2本目を入って......。

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あると便利なので、これまでの刊行分を抜粋。

1「人生は五十一から」文春文庫
2「最良の日、最悪の日」文春文庫
3「出会いがしらのハッピー・デイズ」文春文庫
4「物情騒然。」文春文庫
5「にっちもさっちも」文春文庫
6「花と爆弾」文春文庫
7「本音を申せば」文春文庫
8「昭和のまぼろし」文春文庫
9「昭和が遠くなって」文春文庫
10「映画×東京とっておきの雑学ノート」文春文庫
11「女優はB型」文春文庫
12「森繁さんの長い影」文春文庫
13「伸びる女優、消える女優」文春文庫
14「非常事態の中の楽しみ」文春文庫
15「映画の話が多くなって」文春文庫
16 本書