リケイ文芸同盟 向井湘吾 幻冬舎 2015年02月25日 第1刷発行 |
読みやすい。著者がポプラ社で主に小説を出しているという先入観かもしれないが、ライトノベル風な文体だった。
紹介された数式が新鮮だった。「信頼区間」を求める公式。「統計的仮説検定」。ちなみに本書で、重要な役割を果たすことになる「メルセンヌ素数」について。2017年12月26日に最大のメルセンヌ素数が2年ぶりに発見されたとのこと。
編集担当者とやりとりをしているのだとは思うのだが、終末部の筋が急だった。途中も含め、どの部分の枝葉を刈り込むのか、どのあたりを膨らませるのか。
地の文でその後の展開を示唆する表現を数カ所でてきた。その度に、どきっとする。あらためて戻って確認しながら、その後のなりゆきを丁寧に読む。わざわざ地の文で、その後を予見させるような言い回しをして、読者にあらかじめ知らせる必要があったのかな。ポプラ社版のルパンシリーズを思い出す。南洋一郎......。
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重箱の隅をつっつく行為、でも気になってしまった言い回しについて。
p111
本の内容が薄っぺらければ、帯のキャッチコピーで挽回しようとする。
薄っぺらなとはいうが薄っぺらければはどうだろう。薄っぺらならば、帯のキャッチコピー......。あるいは薄っぺらであるのなら、帯のキャッチコピー......。ニュアンスは異なってしまうけれど。
ポプラ社の校正さんは、なんとおっしゃるのかな。
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