書物學 第1巻 書物学こと始め 企画・編集 (社)勉誠 勉誠出版(株) 2014年3月1日 初版発行 2016年8月8日 初版第二刷発行 |
おかしな本(ムック)が出ていたものだ。ちっとも知らなかった。おまけに続々と刊行されている。
最初、タイトルを「書誌學」だと勘違いしていた。書物學とは......。
薄っぺらだが面白い。おまけにPDF版でも販売しているのだという。デジタルライブラリーの時代である。それだけに出版社サイトでの紹介ももちろんあった。リンクはこちら。
p5
日中国交回復時、田中角栄に毛沢東から『楚辞集註(そじしっちゅう)』六巻を手渡された紹介(写真付き)あり。
p10
東洋文庫の紹介
モリソン文庫の写真がピンぼけ。自分で何度か撮影を試みたときにも、暗くて手ぶれが防げなかったことを思い出す。ぱっと見渡せる書棚というのは永遠の夢なのだ。
p27
長野県小布施町の図書館紹介、よろし。町の喫茶店で店主の小さな書架を公開しているというのもいい。
おまけに、本が汚れていたら図書館にある機械(ブックシャワー)がきれいにします、という図書館への循環構造も。
へーえ。近所の図書館でブックシャワーについての説明ポスターを見たことがある。説明ではインフルエンザなどの消毒を目的としているような内容だったと記憶していた。そんな使用もできるのか。しかも、館外の本をきれいにしてくれるとは。
p66
明大漢文の上鷹徳治教授の漢文は日本文学であるという主張が面白し。ついでに、論語を読むにはまず幸田露伴『悦楽』がいいという説あり。
p77
鼎談の中、日本古書通信編集長樽見博氏「こういうのを保存する、それは癖(へき)ですよね。取っておく人と、おかない人。」
ふーむ、癖は「へき」というのか。それにしても癖とは。
その後、続けて
樽見 『日本古書通信』の読者で大野正男さんという、昆虫関係の資料を集めている方がいて、その人は本の冊数じゃなくて、一三○○mとか書架延長で蔵書の量をあらわす。ものすごい整理魔で買ったときに必ず全部カードをとって整理する。あれも癖(へき)ですね。買ったものを記録していくというのは癖。
いやまあ、書架の長さで蔵書をあらわすというのは、個人では初めて聞く。それにしても「買ったものを記録していくというのは癖」というのはどうなんだろう。PC関連のジャンク部品を記録している自分は整理が大の苦手なのだが。
本などで収集がすごい人の中には、とんでもなくきれいに分類してあるタイプと、崩れそうになっているタイプとがあるが。
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ついでに第2巻も読んでみる。その中に 株式会社ボイジャー: VOYAGER の文字を目にした。リンクはこちら。
そういえばかつて、津野海太郎氏や二木麻里氏などの本で目にした記憶あり。青空文庫の富田倫生氏は亡くなってしまったことも思い出す。
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