随筆集 一私小説書きの弁 西村賢太 講談社 2010年1月29日 第1刷発行 2011年2月25日 第2刷発行 |
この人の本は小説すら未読だっただけに、興味深く読んだ。文章がおもしろい。そういえば、『本の雑誌』に連載中のものは読んでいた。
もともと藤澤清造の研究者として、またその原稿などの収集家として活動していたという知識はあった。こうしてその実際を読むと、これだけの文章を書く著者のバックボーンが想像でき、その蓄積に納得した。どうも芥川賞受賞時の会見内容から、あらぬ浮き名ばかりが一人歩きし、自分もまたそうしたつまらぬ噂話に影響(を受けていないと思いつつも)されていた気がした。
いい、西村賢太。
独特の言い回しが最初は気になったが、すぐに文体に魅了されていた。語彙、文章ともに読んでいて面白い。
初、西村賢太として読んだのは正解だったかもしれない。
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