別冊太陽250 宮武外骨 (別冊太陽 日本のこころ 250) 別冊太陽編集部 平凡社 2017年5月24日 初版第1刷発行 |
この表紙写真は有名なので今までにもあちこちに掲載されていたが、これだけ鮮明にしかも大判では目にしたことがなかった。そのことは本書内の数々の写真にもあてはまる。
出版社サイト内、本書紹介頁に「この本の内容」なるリンクがあるものの、リンク切れ。こんなに大手出版社サイトなのに。
せめて、目次だけでも掲載させていただきます。
p140
『アメリカ様』今昔 小沢信男
幕末、黒船到来の折に、太平慣れの武士たちがあわてて甲冑刀剣類を買いこむので、大儲けの「武具馬具屋アメリカ様ととツと云ひ」。この川柳の口吻を借りて表題とするまでだ。
敗戦がいかにわれらの大幸福であるかを語りまくるのが主題だが。同時に、むしろいまいましげに呟くのが動機なのだ。
このチグハグ。これぞ本書の大特徴です。
こんな具合に。「我国開闢以来、初めて言論の自由、何と云ふ仕合わせ」すべてアメリカ様のお陰だが、「成るやうに成つたのだから、あきらめるの外なし、今更グチを並べても追付かず、理窟を云つても何の効なし」
なんとも奇妙な口吻だが、それはそうですよ。骸骨翁こそ言論の自由のために生涯かけて闘いぬいた。ために入獄四回、罰金・発禁二十九回の猛者ながら。(以下略)
小沢信男さんが生まれたのは1927年だ。昭和2年。半藤一利さんの方がお若い。小沢昭一だの野坂昭如などと同じ世代。「アメリカ様」とはまた、なんともはや。屈折してる。
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