角川春樹伝説、今も健在なり。まるで妖術使いのような言動に驚いたことを思い出す。そうした面の扱いは少し。さすが本の雑誌、むしろ商売人としての活躍をたくさん紹介している。あー、そういえば、そうだった。あれは、そういう意味で春樹氏が展開した商売だったのか等々。すっかり影響を受けていた一人であったことを知る。もっとも新刊よりも古本で購入した方が多かった。
近頃の本の雑誌、面白すぎる。書評の文章の質が前と違う。馳星周がやっていた「バンドーに訊け!」のころとは段違い。
p130奥泉光の10冊 鈴木力 「パターン化された「感動」から離れて」
■小説の聖典
漫談で読む文学入門(いとうせいこう・渡部直己と共著)
小説とは何かについて奥泉といとうがしゃべくり倒した、笑えてタメになる文学入門■バナールな現象
湾岸戦争を背景に凡庸な大学講師を襲う悪夢のような出来事。誰が彼を見張っているのか■『吾輩は猫である』殺人事件
死んだはずの我輩はなぜか生きていた。苦沙弥先生殺害の報を知り吾輩は捜査を開始する■葦と百合
かつての恋人の跡を追い、山形県の山奥に足を踏み入れた青年を待っていたものは......■桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活
残念かつ激安な大学キャンパスで起こる怪事件&珍騒動。続編『黄色い水着の謎』もアリ■鳥類学者のファンタジア
第二次世界大戦末期にタイムスリップしたジャズピアニストは音楽を守るため冒険の旅に出る■グランド・ミステリー
太平洋戦争を主題に、あらゆる小説ジャンルを越境して日本とは何かを追求した大作■東京自叙伝
東京/日本の歴史は無責任の連続だった。その果てに行き着いた黙示録的な光景を描く■その言葉を/暴力の舟/三つ目の鯰
初期作品を収録した中編集。私小説ではないが著者の世代経験がうかがえる点でも貴重■シューマンの指
天才ピアニストの身に何が起こったのか。語り手が回想する血生臭い事件の真相とは
P90 入江敦彦「江戸の"京ブーム"」(●読む京都/古典3近世文学)が面白かった。
初期の江戸ってのは、もー、京都になりたくて仕方ない、明日は京になろう、明日は京になろうという"あすなろ京"であった。とりわけ愛されたのは間違いなく『源氏物語』。はっきりいって江戸なる時代は始めから終わりまで源氏とはなにか? を自問自答し続けたといえる。
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