[NO.1314] サンダーバード大全

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サンダーバード大全
編者 DARTS
角川書店
2002年11月15日 第1刷発行

p9
発刊にあたって
1964年に制作が開始された「サンダーバード」が、日本で放映されたのは1966年(昭和41年)。子供番組としては異例の1時間枠のこの番組を、NHKは当時ノンコマーシャルで放映した。子供番組としては破格の制作費、1話分に2000万円もかけたといわれる豪華な作品は全編が特撮シーンの連続で、主役である1号から5号のサンダーバードだけではなく、毎回登場する21世紀の未来メカの持つ夢と創造性と迫力は、たちまちのうちにブラウン管の前の子供たちを虜にした。以下略

おやっと思ったのは、設定が21世紀だったということころです。当然のことながら、放送当時は、ちっともそんなことは意識していませんでした。

21世紀の未来メカは、「子供たちを虜に」するような「夢と創造性と迫力」を持っているか? と考えてしまいました。

p46
メカ・キャラクター紹介
登場するキャラクターたちに、実在するかのような詳細なバイオグラフィが設定されていたという点においても、『サンダーバード』は実に先駆的であった。この表は、以前のキャラたちの生年月日の設定を、現在の版権元であるカールトン・インターナショナルが世界配信のために改訂したものである。では、まずキャラクターの紹介から始めてみよう。
【年代は左が旧で右が新】
作品の設定年代     2026年 2065年
ジェフ・トレーシー    1970年 2009年
スコット・トレーシー    1996年 2039年
ジョン・トレーシー    2001年 2040年
バージル・トレーシー  1999年 2041年
ゴードン・トレーシー  2004年 2043年
アラン・トレーシー   2005年 2044年
ブレインズ        2001年 2040年
ペネロープ       2001年 2039年
パーカー        1974年 2013年

「バイオグラフィ」なる言葉が、まず新鮮でした。登場するキャラクターたちに設定した、まるで実在するかのような詳細な「バイオグラフィー」です。詳細な人物設定のことですね。

作家の井上ひさしが、創作ノートに作っていたのを紹介した記事(写真)を見たことがあります。仕事場には、登場人物たちの年表が掲示されてもいました。地図や間取り図なども綿密だったような記憶があります。

登場人物たちの生年月日という発想が面白いです。これを見ると、ジョンとブレインズとペネロープの3人は、同い年だということがわかります。子どものころに抱いた先入観というか、思い込みなのでしょうが、ペネロープって意外と若かったんだ! なんてことを考えながら思い出してみたりしています。ペネロープの吹き替えを担当した黒柳徹子さんの若かりし頃を想像していました。空飛ぶ魔法のじゅうたんの頃の徹子さん。

もっとも、年齢のことでいえば、旧バージョンでは例の3人は25歳なのが、新バージョンでは26歳と、1歳ばかり増えています。

ミンミン(TIN-TIN)の立ち位置がわかりませんでしたが、p52によれば22歳、キラノ(トレーシー家の料理番、悪役フッドの弟)の娘だったということです。すっきりしました。

本書自体、実にマニアックな編集がなされています。なかには有名なプラモデルの紹介や全32話、映画2本の解説もあります。さらに制作者ジェリー・アンダーソンによる全作品紹介までもが組み込まれています。

『スーパーカー_1961』『宇宙船XL号_1962』『海底大戦争_1963』『サンダーバード_1963』『キャプテンスカーレット_1967』『ジョー90_1968』『ロンドン指令X_1969』『謎の円盤UFO_1970』『スペース1999_1975』

『宇宙家族ロビンソン』も、このような類書があるのだろうな。