中野のお父さん 北村薫 文藝春秋 2015年9月15日 第1刷発行 |
北村薫の新刊書を読了。北村薫の著書を読むのは久しぶり。至福の時を堪能した。相変わらず、文学好きでない読者には辟易じゃないかな。。
北村薫には娘さんがいらしゃるのだろうか。まさか編集者? 宮本智子さん?
主人公のお父さんがうらやましくなる。本を収蔵するスペースがたっぷりありそうだ。しかも整理してあって、いつでも取り出せるようだし。こちらはとてもとても、まずそんな場所はない。蔵書の大半は段ボールの中。カセットテープなど、何がどこに入っているのか、ここ数年は開けてもいない。ああ、書庫。
ところで、「幻の追伸」に出てくる若森瑠璃子のモデルはいったいだれなのだろうか。知的な作風、経済学の研究者と結婚、もしかすると......岩井先生? 子どもたちもいる。ことと何よりもまだご存命ながところが異なるけれど、近いかもしれない。
「鏡の世界」に出てくる小説家加賀山のモデルはあの方の御尊父ではないかな。自宅にご子息が住まわれることになり......というところは当てはまらないにしても。
「闇の吉原」が最も北村薫らしい話だった。門外漢にはただ其角の句を解釈するだけの話としか思えないだろうな。中野のお父さんは露伴全集をお持ちなんだ! 参りました。岩波古典文学大系も旧版と新版の両方を揃えているらしい。
日本エディターズスクール出版部の本を最近買わない。懐かしくなって、出版社サイトをのぞいてしまった。
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