直木賞物語 川口則弘 バジリコ 2014年1月11日 初版第1刷発行 |
直木賞に心底、入れあげている著者の熱意に脱帽するしかない。『文学賞メッタ斬り!』(大森望・豊崎由美)とはまた違ったすごい本。
直木賞がはじまった1935年第1回から2013年上期149回まで、詳細に記してある。巻末の主要参考文献、あるいは本書の題名にある「物語」からもわかるとおり、いわゆる研究書ではない。これは読み物である。ところが、物語というタイトルにだまされてはいけない。読み終えたときには、物足りなさどころか、満腹感いっぱいになる。しかも、あくまでも一人の著者による「直木賞」の「物語」であるところがすごい。何しろ、第1回から149回分をすべて丁寧に記述してあるのだ。
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