文章力 かくチカラ 外山滋比古 展望社 2010年11月25日 初版第1刷発行 |
久々の更新。
初出について、「あとがき」から引用すると
ところで、この本の生い立ちはいくらか曲折がある。もともとは郵政省(当時)の〈教養シリーズ〉の一冊『文章と表現』(一九八二年)である。ついで、それにもとずいて福武書店の文庫本『文章を書く心』(一九八六年)が出た。その間、多くの読者にめぐまれたのは著者として望外の喜びであった。
とあり、文中に取り上げられた若者言葉などは30年前のものとなる。
題名にもあるとおり、文章を書くための覚え書きのような内容。『文章読本』といえば、谷崎、三島、丸谷から斎藤美奈子『文章読本さん江』まで多数ある。本書は英文学者である著者が編集者となったとき、日本語を書くことの難しさに直面し、自分で考えたことを一つ一つとりまとめたものだという。したがって、衒学趣味にはしることもなく、きわめて実用的である。(それが読者にとって、どこまで役に立つのかは別として)。
今更と思えること、なるほどとうなずけることが混在していた。句読点の打ち方、同じ語を多用しない等、リズムを重視するという意見を読み、山本夏彦が言っていた音読せよ、という教えを思い出した。
『近代読者論』で音読について述べた外山氏だ。なるほど。
それにしても、著者の書く文章、あるいは一文にはどこか違和感を覚えるのはなぜだろうか。日本語と英語との構文の違いなのだろうか。その原因が具体的に思いつかない。
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