[NO.1237] 発達障害に気づかない大人たち

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発達障害に気づかない大人たち/祥伝社新書190
星野仁彦
祥伝社
2010年2月10日 初版第1刷発行
2010年3月5日 第3刷発行

次に読んだ「職場編」でも繰り返し筆者がいうには、ここで傷害という訳語を当てた最初の翻訳者が悪いのだとのこと。なぜなら、発達障害とは傷害というよりも、もっと程度の軽いものをいうのだからだという。

なにはともあれ、本書を読んでいると自分自身も該当しているような気になってくる。自己チェックのための表を見ていると、当てはまりそうな項目が必ずある。さらに、各項目を解説している事例を読むと、なおさら当てはまる気になる。

大人になってから症状が出てくるのではなく、幼少時からそうしたことが起きているはずだとして、あれこれ書かれているのだが、自分の記憶の底をほじくり出すうちに、ますます同じことがあったことに思い至るのだ。

やはり症状が云々というよりも、そうした傾向がある、ととらえたほうが良さそう。

専門家である著者自身が発達障害に該当しているというところが、本書の眼目だろう。それなのになぜ専門医になれたのか、という疑問に対する解答が、どうもはぐらかされているように思えてならない。