武道的思考/筑摩選書0001 内田樹 筑摩書房 2010年10月15日 初版第1刷発行 |
「いのちがけ」の事態を想定し、高度な殺傷術として洗練されてきた日本の武道。幕末以来、武道はさまざまな歴史的淘汰にさらされ、それに耐え、そのつど「変身」を遂げつつ生き延びてきた。本来の意味は失われても、「心身の感知能力を高め、潜在可能性を開花させるための技法の体系」である武道には、今こそ見るべき叡智が満ちている。達見の武道論。 出版社サイトの紹介から リンク、こちら
いや、これは面白い。書名からして、合気道を初めとするもっとお堅い内容かと思いきや、いつもの百花繚乱、森羅万象を扱っておられる。
内田樹氏の書くものは、大半が「武道的思考」によるともいえよう。
p124
というわけで、子どものころから職住接近主義で、一時間以上かけて通勤通学したことがない(自由が丘から本郷三丁目に通っていたときがもっとも長い通学時間であった。だからほとんど大学に行かなかった。)
高校を中退したいちばん大きな理由も、今ここにカミングアウトするが、実は五十分かけて高校まで通うのにうんざりしていたからである。高校生活そのものはとっても愉しかったのである。だから、もし一九六七年に内田家が青山とか麹町にあったら、たぶん私は高校をちゃんと卒業していたはずである。
高校の退学理由はちと、眉唾物だろう。
何度も出てくる師弟関係の話が面白い。
目次
第1章 武道とは何か?
第2章 武道家的心得
第3章 武道の心・技・体
第4章 武士のエートス
第5章 二十一世紀的海国兵談
あとがき 「武道的」ということ
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