[NO.1213] 古本街の殺人

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古本街の殺人/創元推理文庫
紀田順一郎
東京創元社
1994年2月18日 初版
2000年12月15日 新装版初版
再読

一昨日、神保町へ寄った折、均一棚で購入。初読がいつのことだったか記憶があいまい。物語の冒頭、中華料理店が舞台のところで、まだ思い出せず。2次会で古書店に入ったあたりで、やっと記憶がよみがえり出す。それでも、犯人は最後まで忘れていた。その意味では、元手をとれたのかもしれない。

神保町古書店に集まった常連たちが遭遇する殺人事件。当然のことながら、犯人逮捕に至る過程よりも、古本にまつわるエピソードの方が満載。マニアの生態といった方がいいかもしれない。

※  ※  ※

著者の特徴かもしれないが、人物が生き生きと動いていない。感情移入できそうな人がいないとでもいえばいいのか。おそらく、推理小説という分野にも造詣が深い紀田氏にとっては、執筆しながら先が見えすぎてしまうのかもしれない。まして、作家となるには大人だし。もっとお子ちゃまな方が筆が走るのだろう。