チャペックの本棚/ヨゼフ・チャペックの装丁デザイン 編集 及川さえ子 ピエ・ブックス 2003年3月12日 初版第1刷発行 |
8年も前に、こんなにいい本が出ていたとは。
ヨゼフ・チャペックはカレル・チャペックの兄。「ユトレヒト」に説明あり。
表紙裏に「千野栄一さんに捧ぐ」とあり。なるほど、亡くなったのは2002年のことなので、本書出版の前年にあたる。千野氏による文章「ヨゼフ・チャペックの表紙」が本書の巻頭を飾っている。ビールが好きで、チェコのことを語ると熱かった人だ。
で、本書は装丁の写真集。山のように表紙が出ている。それもカラー。ぱらぱらとページをめくりながら、誰かに似ていると思い出していると、川上澄生の版画だった。色合いといい、朴訥な風合いといい、似ている。特に小さなカットに、川上澄生の初期作品であるアラスカ時代のものと共通している気がする。
本書に掲載された表紙の本が出版されたのは、ほとんどが1920年代。いかにもモダン。
有名な「ロボット」初版の表紙はつまらなかった。
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