[NO.1152] セイ!ヤング&オールナイトニッポン70年代深夜放送伝説

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セイ!ヤング&オールナイトニッポン70年代深夜放送伝説
構成・文・編集/田家秀樹
編集協力/石垣敦子
デザイン/小栗山雄司
DTP協力/Office SASAI
扶桑社
2011年1月24日 初版第1刷発行

ひとつのこんな時代があったというメモリアル。団塊の世代が対象なのか。遅れてきた世代としては、なんともはや。それでもかろうじてなんとかリアルタイムで体験していたので、わからないこともない内容。インターネットや携帯が当たり前に普及してしまっている今となっては、実感できないだろう出来事ばかり。

そもそも深夜放送を聞くようになったきっかけは、自分で組み立てたラジオだった。それが今や、自分で組み立てたPCでネットをしているのだから、道具から入るという性向は変わらないようだ。

表の表紙から中心に向かってオールナイトニッポン編で、裏表紙からめくっていくとセイ!ヤング編という2部構成になっている。それぞれのパーソナリティ年表というのが掲載されており、これがなかなか立派な資料。

オールナイトニッポン編
p106
かまやつひろし「深夜放送と70年代音楽シーン」を語る から引用
いろんな人がいましたからね。それが面白かった。なかには音楽はリスペクトできないんだけど、その人の熱さとか人間性、一本気なところに惹かれたり、逆に、何だかウジウジしていて性格はよくわからないんだけど、音楽は面白そうだったり。はっぴいえんどに会ったときもそういう感じだったもん。
はっぴいえんどの解散コンサートって覚えてるかな。73年だよね。アルバムにもなってるけど、文京公会堂ですよ。あのとき、ぼくが司会やってるの。
もともとはニッポン放送の亀渕昭信さんがやる予定になってたんですよ。直前になって「俺、風邪ひいたんで代わりにやってくれ」って言われたんだけど、初めはアウェー的な感じで。
吉田美奈子さんとか南佳孝さんとかも出たよね。佳孝さんもシュガーベイブもあれが最初でしょう。鈴木茂のハックルバックもそうか。楽屋にみんないるんだけど、居心地が悪かったなあ。
わかるでしょ。「このグループサウンズくずれ」みたいな感じがひしひしと伝わってくる感じ。今、考えてみると亀渕さんは「これはちょっと重いな」って思って逃げたんじゃないかな(笑)。
そういうのってあるじゃないですか。テレビの深夜番組なんかでもPUFFYなんかと司会をやってくれって頼まれると誰が出るのか聞くものね。これは僕じゃないんじゃないかなとか思うし。亀渕さんもそれで逃げたんじゃないかなって。本人に聞いたことはないけど。
みんなナアナアじゃなかった。アーティスト同士も戦ってた。
拓郎さんは、森進一さんに曲を作ったりして、自分の道を行ってたね。面倒くさいヤツも多かったから(笑)。

カメカメにはめられたということ? あの有名な文京公会堂の解散コンサートの司会。楽屋の怖い雰囲気というのはわかるなあ。
何だかウジウジしていて性格はよくわからないんだけど、音楽は面白そうってえのも、可笑しい。

巻末に両番組のパーソナリティ年表が掲載されている。いやあ懐かしい。

1970年
「オールナイトニッポン」
(月)糸居五郎
(火)斎藤安弘
(水)高岡寮一郎/高島秀武
(木)高島秀武/天井邦夫
(金)今仁哲夫
(土)亀淵昭信

「セイヤング」
(月)土居まさる
(火)はしだのりひこ
(水)みのもんた
(木)かまやつひろし
(金)落合恵子
(土)加藤諦三

実際には、年の途中から交代というケースも多かった。

【追記】
文化放送ニッポン放送、それぞれのサイトに本書のページがありました。