ぼくの採点表The Final/未発表作品177本 双葉十三郎 近代映画社 2010年9月10日 第1刷発行 |
双葉先生が映画雑誌"スクリーン"に50年に渡って書き続けてきた人気連載「ぼくの採点表」のために原稿を起こしながら、誌面の都合などで掲載されなかった作品をすべて集めました。 その数、177本! 1991年から2001年まで、これまで読めなかったあの作品の批評の登場です! 帯の惹句から
今回のものは追悼出版と銘打ってある最後の採点表です。著者双葉十三郎氏の映画評は、今回、読むのが初めてです。みなさんがお褒めになればなるほど、あまのじゃくになり読まなくなっていたところ、あり。
たしかによく見ていることに感心しました。B級どころかC級作品も含まれています。ここで、疑問点が2つ。
疑問1 中には批判どころか、おちょくっているものもあるが、こうした文章も掲載されることはあったのか?
疑問2 中にはとんでもない悪文もあるが、こうした文章も掲載されることはあったのか?
どちらの疑問も、その他の「ぼくの採点表」に実際に当たってみれば解決することではありますが。
こちらで推敲したくなります。
p59 ミッドナイト25時殺しの訪問者
ワシントン州の田舎町。ソシアル・ワーカーのナターシャ・リチャードスンが妊娠中の妻を殺したというので十五年の刑を受けてようやく出獄したルトガー・ハウアーに同僚でボーイ・フレンドのクランシー・ブラウンの世話で就職さきを見つけてやるが、どうしてもハウアーが殺人者とは思えず、調査をはじめるうちに恋に落ちて妊娠する。と、二人の仲に反対していたブラウンが殺されるという事件が起る。ハウアーの仕業か? というジャン・イライアスパーグ監督のサスペンスで、犯人が右手にナイフをふりかざし被害者に迫る場面を左手に持ったカメラで撮影した小型映画が手がかりとなり、それがクライマクスで生かされるのが趣向。が、主要登場人物がすくないので、真犯人は他愛なくわかってしまうし、お話の展開もモタつきがちで興味が盛り上がってこない。
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