[NO.1093] ぼくのいい本こういう本2

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ぼくのいい本こういう本2/1998-2009ブックエッセイ集2
松浦弥太郎
ダイエックス出版
2010年9月1日 初版第1刷発行

前作に続き、その2。こちらは海外編。

今風の売れている雑誌に連載されると、人気ありそう。もっとも、著者は、彼の「暮らしの手帖」編集長氏。そのイメージのギャップに面白し。

植草甚一氏が生きていて、この本を読んだなら、どんな感想を持たれるかな。

一番興味がわいたのは「あとがきにかえて/丸谷才一さんの『山といへば川』。暮らしの手帖編集部へ丸谷氏から電話が入ったというエピソードに続けて、こう書いている。

作家であり、随筆家であり、文藝評論家である丸谷才一さんから、『暮らしの手帖』をほめていただけるなんて夢のようだとぼくはほっぺたをつねりたくなった。
丸谷才一さんは、日本で最も優れた書評家と言っても異論はないだろう。
『山といへば川』という書評集は、ぼくの座右の書のひとつである。特に古典については、いつも読書の道しるべにさせていただいている。
作家の須賀敦子さんが、『山といへば川』について、「本というものはどういうものかを知れるすばらしい一冊」と評していたのも記憶にある。また、書評という少ない文字数のなかで、すべてを言い尽くすことの妙を教えられたとも。
取り上げる本の分野の広さや、切り口の鮮やかさ、また本を見たり読んだりするたのしさなど、ぼくは一読者として、丸谷才一さんから多くを学んだ。それは本に関わる仕事におおいに役立っている。
「最初の三行で人を惹きつけないといけない」丸谷先生の言葉を肝に命(ママ)じて、今日も明日もあさっても、仕事と向き合っていきたい。

失礼ながら、丸谷先生の言葉を肝に命(ママ)じて という、校正部がどうなっているのかしら、と思わせるところは、前著とかわらないなあ。

出版社サイトに、紹介あり。こちら