ぼくのいい本こういう本1/1998-2009ブックエッセイ 松浦弥太郎 ダイエックス出版 2010年9月1日 初版第1刷発行 |
最初、なあんだこんな本と馬鹿にしていたのに、じっくり読みなおすと、なかなか味わい深いものも。どうも、アンバランスな内容。
まず、第4章~第7章にあるリトルプレスレヴューがなんともよろし。計47の紹介。この手の紹介記事は珍しい。
選んだ本は、どちらかというと洒落ているものばかり。なにしろ、出版社名に新潮社や講談社や集英社などがちっとも出てこない。海外作品の紹介も多い。
そんな中、p151『素白先生の散歩』が出てきたり、p206では坂上冬子氏の著作を読み耽っているという文章が出てくるので、思わずおやっと目を見張ってしまう。なんでも坂上氏の本は全部で33冊出ているが、絶版も多く、読み終わるのに半年かかるか一年かかるか、わからないとのこと。
初出は『装苑』2000年4月号~5月号、2000年7月号~2006年12月号、2008年9月号と『アルネ』1号~30号(イオグラフィック)とのこと。装苑とは、ついぞ手に取ることのなさそうな雑誌。
タイトルに 1 という数字がついていることに、最初、気づかず。調べてみると、2 も同時に出版されていたとは。
※ ※
巻末解説「松浦弥太郎さんのこと」と題する大橋歩氏の文章が、これまた不思議。
p342
......私の年齢では若い人達の活動をキャッチするチャンスがなかったしつながりもなかったから、とてもありがたいことだった。
松浦さんはすでにマガジンハウスの『ギンザ』にお原稿を書いておいでだったと思う。
すごい。「チャンスがなかったしつながりもなかったから」は、読点をいれたくなるところを、あえていれてない。また、「お原稿を書いておいで」というところも、あれま。「お」原稿と「お」いで、の「お」つながり。とても書けそうにない文章也。
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