古書を求めて 山下武 青弓社 1994年12月20日 第1版第1刷発行 |
これまで、敢えて避けてきた気がする、山下武氏による古本についてのエッセイ。とにかく、この山下氏による古書関連エッセイは数が多い。これを読み尽くしてしまうと、これからの楽しみが減ってしまう気がしていたもの。
昨年、亡くなっているので、これからの新著は望めないし、ここいらで読みだそうと決意。
きわめてオーソドックスな内容。ひとつひとつの話を安心して読める。文章も今風ではない。それだけに、よろし。
巻末には、きちんと「書誌名・作品名索引」が付いている。これのない本は、手抜き也。
神楽坂で出会った露天の古本屋の話、味わい深い内容。著者の経歴が物語っているのだ。金語楼を父にもち、異母弟は山下敬二郎。日劇舞台監督、大正テレビ寄席のプロデューサーとディレクターという職歴。
そうした影響からか、幼少期から翻訳小説が好きだったというのは、なんとなく納得。モダンなものへの憧れが強かったのだろうな。
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