[NO.1045] 古本屋おやじ

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古本屋おやじ/ちくま文庫
中山真如
筑摩書房
2002年2月6日 第1刷発行

東京、三河島の古本屋、稲垣書店の店主中山さんが著者です。商売の内情をあけすけに記述してしまいます。古本屋の日常がつづられます。店番、目録販売、市場でのやりとりなどなど。

本が売れないといいます。出版不況といわれ始めてから、いったい何年経つことやら。さて、古本についてです。稲垣書店は映画関連の専門古書店とのこと。

最も身につまされたのが、古本にお金を注ぎ込む人の姿でした。そこに自分を投影しつつ、なんだか空しくなってしまいます。

興味のない他人からすれば、いったいどうしてそんな詰まらないものに、そんなにもの大金を払うのか、理解に苦しむところでしょう。まったく、そのとおりです。自分でも、これまでに(古本も含めて)、本代に費やしてきた金額(と、手間暇)を考え出すと、頭の中がくらくらしてきます。