[NO.1032] 好きでこそ読書

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好きでこそ読書
小笠原茂
潮出版社
1993年9月25日 第1刷

不思議な本。著者小笠原茂氏についても、ネット検索をかけてもよくわからず。......

とりあえず、初出を写すと
「文芸東北」「室内」「潮」「河北新報」「バンガード」「PHP文庫」「産経新聞」「詩学」「東北工業大学電子工業高校『図書館だより』」
これだけでも、奇妙な雰囲気が伝わってくるような。巻末にある「私の読書遍歴~自画像として」を読むと、少しわかってくるようなこないような。何度も繰り返し出てくる、「町人学者」としての矜恃。これって、いい。

彼の山本夏彦氏の勧めで、雑誌『室内』の書評を担当したという。

おや、っと思った記事を二つ。その一つ、p67「着流しの達人 森銑三『砧』『木菟(みみずく)』」。『砧』の随筆で秀逸として「羽鳥千尋」を挙げている。森鴎外に同名の小説あり。
二つ目、p209「人間の限界への挑戦 岡谷公二『郵便配達夫シュヴァルの理想宮』。シュヴァルが石を拾ってきてはつくったという家について、どこかで読んだ記憶あり。荒俣宏氏あたりの本だったか。

いずれにしても、書評を読んで、読者に読みたい気を起こさせることができたなら、それは成功と言えるでしょうね。