[NO.942] 捻れ屋敷の利鈍/講談社NOVELS

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捻れ屋敷の利鈍/講談社NOVELS
森博嗣 著
講談社 刊
2002年1月10日 第1刷発行

 講談社ノベルス創刊20周年記念「密室本」メフィスト賞作家特別書き下ろし作品であり、しかもS&MシリーズとVシリーズが交差する作品ということで、期待もひとしお。十分、期待に応えてくれる内容でした。

 建物もメビウスの帯を模したコンクリート造り。なんともはや。そのトンネル状の中を一部屋ずつ進む場面では、頭がクラクラしてきます。犯人捜しよりも、設定されたディテールを楽しむ趣向か。

 最後に語られる、瀬在丸さんから聞いたという西之園さんについての驚愕の情報というのはいったい何だったのか。気になるところ。

       ※    ※

 ......ネットを見ていて、こちらが驚愕。ふーん、そうだったのか、ですね。Vシリーズは1973年の1年間での出来事だったのですか。そうして、本作だけは2000年。種明かしはへっくん=犀川先生。従って、祖父江七夏の娘が儀同世津子。いやあ、頭の中が文字通りクラクラ。1957年生まれの森氏作品ですから、こうした年代は手の内かも。いやあ、呵呵、愉快愉快。