[NO.927] 正直書評。

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正直書評。
豊崎由美
学習研究社
2008年11月11日 第1刷発行

 トヨザキ節全開。各書評を①金の斧、②銀の斧、③鉄の斧、の3種に分類。やっぱり読んで面白いのは③鉄の斧。けれども、その数が他の金や銀よりも少ないのが残念至極。しかも、PHP文庫収録作が重複するなど、もっと小説全般で載せて欲しかったところ。本当はあるでしょうに。

 相変わらず渡辺淳一氏を酷評した件は楽し。読みふけってしまいました。自分の作品をトヨザキさんに酷評されたことに怒った渡辺氏が、その書評を掲載していた文藝春秋社に手を回し、雑誌ごとリニューアルさせてしまったと、2度にわたって書いてもいます。いやはや、本書の出版社は学研。当然のことながら文芸関連の出版社はダメということでしょうか。

 本著での圧巻は、巻末に封をしてある綴じ込みでしょう。しんちゃんについての文章は、他でも目にしたことがあったので、ああアレね、と見当がついてしまったものの、読んでいて可笑しいったらありゃしません。